なぜ後楽園駅で日本ハム球団歌?東京メトロ発車メロディの真相
東京ドームの最寄り駅である東京メトロ後楽園駅。南北線のホームに降り立つと、電車が発車する瞬間に聞き覚えのある軽快なメロディが響き渡ります。「進めファイターズ〜♪」のフレーズで広く親しまれている日本ハムファイターズの球団歌『ファイターズ讃歌』です。北海道に本拠地を置く球団の応援歌が、なぜ都心の地下鉄ホームで毎日流れているのか、不思議に感じた乗客も少なくないはずです。
読売ジャイアンツの本拠地として知られる東京ドームの地下で、今なお響くファイターズの調べ。その背景には、かつてこの地をホームスタジアムとして熱狂を生み出した東京ドーム本拠地時代の確かな歴史と、鉄道会社が仕掛けた粋な演出が存在します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:東京メトロ南北線後楽園駅の発車サイン音には、日本ハム球団歌『ファイターズ讃歌』が採用されている。
- 要点2:採用の背景には、日本ハムが1988年から2003年まで東京ドームを本拠地としていた深い歴史的経緯がある。
- 要点3:丸ノ内線の巨人球団歌『闘魂こめて』と対をなす形で導入され、現在もオールドファンやプロ野球ファンに親しまれている。
【謎の真相】なぜ東京メトロ後楽園駅で「進めファイターズ」が流れるのか?
東京メトロ南北線の後楽園駅(6番線・赤羽岩淵方面ホーム)に導入されている発車ベルの正体は、北海道日本ハムファイターズの公式球団歌『ファイターズ讃歌』のアレンジメロディです。「進め ファイターズ」というフレーズがあまりにも有名なため、曲名そのものを「進めファイターズ」と覚えているファンも多い名曲です。
「北海道のチームの曲がなぜ東京で流れているのか」という疑問の答えは極めて明快です。日本ハムファイターズは、2004年に北海道札幌市へ移転する前、1988年の東京ドーム開場から2003年までの16年間にわたり東京ドームを本拠地としていたからです。
東京メトロが駅ごとの地域性や歴史的背景を反映した「ご当地発車メロディ」を本格展開するなかで、後楽園駅が持つ野球場としての重層的な歴史を表現するため、かつてのフランチャイズ球団であった日本ハムの楽曲が選ばれました。
東京ドーム本拠地時代の熱狂|日本ハムと文京区後楽園の深い歴史
日本ハム球団と後楽園エリアの歴史は、東京ドーム以前の前身・後楽園球場時代(1954年の東映フライヤーズ時代から)にまで遡ります。後楽園球場を巨人と共用していた歴史を受け継ぎ、1988年に日本初の屋根付き球場として完成した東京ドームでも、日本ハムは巨人と並ぶ「もうひとつの看板球団」として数々の名勝負を繰り広げました。
当時は「東京ドームの日本ハム戦」といえば、仕事帰りの会社員や地元ファンが気軽に立ち寄れるパ・リーグ屈指のエンターテインメント空間でした。ビッグバン打線を擁した強力打線や、ドームを揺らした熱烈な応援風景は、今も多くの往年のプロ野球ファンの記憶に鮮明に刻まれています。
2004年に拠点を北の大地へ移した後も、日本ハムは毎年東京ドームで主催公式戦を数試合開催してきました。文京区後楽園は、ファイターズにとって今なお「第二の故郷」「球団発祥のルーツ」と呼べる特別な場所です。
丸ノ内線「闘魂こめて」との対比|南北線の発車サイン音採用理由
東京メトロ後楽園駅の発車サイン音は、路線ごとに練られた見事な対比構造を持っています。
東京ドームのメインゲートに近い丸ノ内線後楽園駅(1・2番線)には、読売ジャイアンツの球団歌『闘魂こめて』が導入されています。これに対し、地下深くを通る南北線後楽園駅(6番線)には『ファイターズ讃歌』が選定されました。
この選曲には、東京ドームを拠点とした2大プロ野球チームの歴史を駅全体で残すという、東京メトロ側の明確な意図が込められています。2015年3月に南北線全駅へ発車メロディが一斉導入された際、後楽園駅の選曲は野球ファンから「後楽園の歴史を熟知した素晴らしい配慮」と絶賛を浴びました。
「ファイターズ讃歌」の変遷と歴史|歴代ボーカルと愛され続ける応援歌
発車ベルとして親しまれている『ファイターズ讃歌』は、1977年に誕生した息の長い球団歌です。作詞は藤島信人氏、作曲は数々の名アニソンや特撮ソングを手がけた巨匠・あかのたちお氏が担当しました。
この楽曲の特徴は、時代の節目ごとに豪華なボーカリストによって歌い継がれてきた点にあります。
初代のささきいさお氏による力強い歌声から始まり、球団創設記念盤での尾崎紀世彦氏、北海道移転時の速水けんたろう氏、さらには上條恒彦氏まで、錚々たる歌手が歌唱を担当してきました。軽快で勇ましいブラスサウンドと親しみやすいメロディラインは、電車が発車する数十秒の短いアレンジサイン音になっても際立った存在感を放っています。
首都圏のプロ野球駅メロディ一覧|ファンを沸かせる発車ベル事情
東京メトロをはじめとする首都圏の鉄道各社では、球場最寄り駅を中心にプロ野球球団にちなんだ発車サイン音が数多く導入されています。
駅を降りた瞬間から試合観戦の高揚感を味わえる代表的な駅をまとめました。
| 駅名・路線 | 採用楽曲 | 対象球団 |
|---|---|---|
| 東京メトロ後楽園駅(南北線) | ファイターズ讃歌 | 北海道日本ハムファイターズ |
| 東京メトロ後楽園駅(丸ノ内線) | 闘魂こめて | 読売ジャイアンツ |
| JR水道橋駅(中央・総武線) | 闘魂こめて | 読売ジャイアンツ |
| 東京メトロ外苑前駅(銀座線) | 東京音頭 | 東京ヤクルトスワローズ |
| JR関内駅(京浜東北・根岸線) | 熱き星たちよ | 横浜DeNAベイスターズ |
| JR海浜幕張駅(京葉線) | We Love Marines | 千葉ロッテマリーンズ |
移転から年月が経過してもなお、かつての本拠地球団の楽曲を公式サイン音として使い続けている後楽園駅の事例は、首都圏の鉄道網全体を見渡しても極めて情緒的で稀有なケースといえます。
【進め ファイターズ 東京 メトロ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:後楽園駅の何番線ホームに行けば「ファイターズ讃歌」が聴けますか?
A1:東京メトロ南北線後楽園駅の6番線ホーム(王子・赤羽岩淵方面行)で聴くことができます。なお、反対側の5番線(目黒方面行)は別の汎用メロディが設定されています。
Q2:丸ノ内線の後楽園駅でも「進めファイターズ」は流れますか?
A2:丸ノ内線ホーム(1番線・2番線)では流れません。丸ノ内線で流れるのは読売ジャイアンツの球団歌『闘魂こめて』です。日本ハムのメロディを聴く際は南北線ホームをご利用ください。
Q3:日本ハムがエスコンフィールド(北海道)へ移転した後もメロディは変わりませんか?
A3:変更予定はありません。東京メトロは後楽園の歴史的背景と地域文化を尊重して選曲しており、球団が北海道北広島市へ拠点を移した後も、東京ドーム時代の象徴として大切に維持されています。
まとめ:今も鳴り響く球団のルーツと受け継がれる後楽園の記憶
東京メトロ後楽園駅の南北線ホームで響く『ファイターズ讃歌』は、単なる発車合図の音にとどまりません。それは、昭和から平成にかけて後楽園・東京ドームで球団が紡いできた汗と涙のドラマ、そしてスタンドを埋め尽くしたファンたちの熱い記憶を未来へ繋ぐタイムカプセルのような役割を果たしています。
野球観戦や観光、通勤で後楽園駅を訪れる際は、ぜひ南北線のホームで耳を澄ませてみてください。都会の喧騒のなかに響く勇ましいメロディが、東京のプロ野球史の奥深さをそっと思い出させてくれるはずです。 (出典: 進め ファイターズ 東京 メトロ(Yahoo!ニュース))